地獄からの生還
全身ニキビマンとなり、何回目かもわからぬ灼熱地獄と
乾燥によるミイラ化を経たのちに思った
これ、耐えるのむりじゃね??????
いくらなんでもおかしくね??????
漢方はそもそも徐々に効き目が出るはずなのに、こんなに急激に悪くなるものなのか。十個の味で毒を排するという「十味排毒湯」とはいっても、毒が出すぎじゃないか。私の体は毒素まみれか!
ということで煎じをやめて粉末に切り替え、人様には見せられぬ顔面で病院に行った。
「あの、煎じにしたら全身にニキビみたいなものができたんですけど…」
院長「え!?全身?うーん、漢方があってなかったのかなぁ…」
「(漢方にも合う合わないがあるんやな……)」
院長「いま一番ひどいところどこ??」
「あーえっと、顔と首ですね (まぁ全部だけどな!)」
院長「じゃあずっと飲んでたほうもあんまり効いてないなぁ…」
「あーそうですね…(むしろ悪化してるよ)」
院長「煎じだと強いからどっちも粉末にしようかー、あと辛夷清肺湯やめてちがうのにしてみよう。ちょれいとうってやつね。そゆことで!(ササッと退場)」
「あ、、は、はいー。」
ということで2-3週間の地獄は一旦終焉を迎え、ダブル煎じからダブル粉末へと変化した。毎日毎日ぐつぐつと漢方を煮出す儀式がなくなって正直ほっとしている。それだけで精神的なストレスが減った。今や漢方の匂いがこびりついた二つの鍋たちには本当に感謝している。犠牲になってくれてありがとう。君たちのことは忘れない。君たちの毎日の貢献は忘れない。君たちの思い、全て引き受けて治してみせるから………(ゴミ箱に向けて敬礼)」
ということで我が漢方ヒストリーに新しく加入した新人漢方の名前は「猪苓湯(チョレイトウ)」である。
思わず「チョレイ!!」と脳内の張本くんがさけびだしたが、こいつは張本くん並みに活躍してくれるのだろうか。
調べてみたところおもに排尿困難、残尿感、頻尿などに効くらしい。薬局の人によれば「肌の乾燥などにもききます」らしいので、体の水分を調節してくれるのだろう。むくみなどにも効くらしいし。
なぜこれを処方されたのかよくわからないが、灼熱地獄後のフケ地獄の時に診てもらったからかしら。冬は乾燥で全身が砂漠化するのでありがたいっちゃありがたい。乾燥肌に何回保湿剤を塗っても浸透しない。砂漠に水をやっても砂漠のままということだ。この新顔くんが私のオアシスになってくれることを願う……
てなわけでダブル粉末で1週間くらいたった。まだところどころにニキビっぽいものができるし、チョレイの効果はよくわからない。
今までの3.4ヶ月はなんだったんだろう。効果がなかったのならなぜあんなにまずいものを毎日毎日飲んでいたのだろう。この先治る見込みがないじゃないか。そもそも漢方は合わないのだろうか。布団が血にぬれずに眠れる日は来るのか。と怒りと空しさでいっぱいになり、衝動的にクッキーを作ったりイラストを描いたりなどの洒落たことをしたが、イマイチふっきれない。ストレスとはこういうことか。わたし今ストレス感じてる。これがストレスか。と突然気付いたりもする。何ヶ月後かの通学再開、就活解禁を思って憂鬱にもなった。
とにかくとにかく気楽に生きよう。なんでもない。こんなことは私にとってなんでもない。ほんの小さい些細なことだ。ストレスなんて損だ。私の今の時間はきっと何かにつながるはず。ともう1人のポジティブ人格が私を励ましたりもした。
なんだかいろいろ一周した気分。
もう後先も考えず、したいことをしようと思う。
生きていればそれなりに生きていけるだろう。
20181217